ローレンス・M・クラウス「物理学者はマルがお好き―牛を球とみなして始める物理学的発想法」

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「牛を球とみなして始める物理学的発想法」という副題や表紙のイラストから想像していた一般向けの物理雑学本、という当初の予想はいい意味で裏切られた。物理のさまざまな理論が構築されるに至った歴史的背景とジョークをまじえながら、数学マインドにたいする「物理マインド」とでも呼ぶべき原則を説くハードコアな本。

語り口は軽めで、第一章の牛を球に近似する話までは何とかついていける。そして、第三章の創造的剽窃(p.141「既存の法則を捨てるのではなく、その枠組みのなかで創造的に生きる方法を見出した」)の原則などは共感できる部分も多い。

しかし、第四章くらいになると、あまり真面目な学生でもなかった身にとっては、詳細を追うことが難しくなってくる。なんだか、気さくな学者に招かれて、あれこれ(アカデミック特有のジョークをまじえた)世間話を聞いているうちに、とんでもないレベルの話題に巻き込まれてしまった感じ。

ひさしぶりに体力を消耗する読書だったが、買って損はなかった。あと、数式がまったくといっていいほど出てこないのはいいね。そもそも、文系の人には読み方さえ分からない表記の数式とかあるので。

物理学者はマルがお好き (ハヤカワ文庫・NF)
物理学者はマルがお好き (ハヤカワ文庫・NF)青木 薫

早川書房 2004-05-25
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おすすめ平均 star
star物理本の中で確実にお薦めできる一冊
star個人的な涙、個人的な憂鬱
star物理をやってる人が面白い本なのでは

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