グレッグ・イーガン「ひとりっ子」

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前 2 作の短編集よりもアイデンティティ——この自分とは何者なのか——に焦点を合わせた作品群であるように感じられた。また、登場人物たちの「決断」が作品世界にこれほどの影響を及ぼす小説というのも珍しいだろう。執筆時期が近しいせいもあってか、第一長編「宇宙消失」を彷彿とさせる。

イーガン流の大風呂敷が好き、という人にはやはり「ルミナス」がおすすめ。数学好きな人ならきっと楽しめる、かどうかは、私自身が数学好きではないのでわからない。でも、楽しめた。

ところで、作中に気になる誤植を見つけたので紹介したい。文庫の初版で 343 ページ目:

(前略)どの作家も飽きもせずに設定の前提を自明とするばかりで、背理法はもろちん、喜劇による実存主義的鎮痛剤といえるレベルにさえほど遠かった。

もろちん...。もろちん...。

hReview by Takanori Ishikawa , 2006/12/30

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ひとりっ子
グレッグ イーガン Greg Egan 山岸 真
早川書房 2006-12

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